5.内部波動

ここからは内部波動について説明します。

内部波動というのは上図のような形になります。

大きいピンクを大きな上昇1波と考えてください。

相場は波形を組んで進んでいて、ピンクの波形の中には当然さらに小さな波形があります。

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それが青い丸の波形です。

これはピンク丸の波形での「内部1波」に当たる波になります。

これを「内部波動」と呼び、同じように内部2~5波目までが完了した時点で、

それが大きなピンク1波になっている、というものです。

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そして、さきほどの青丸の波形の中にもさらに赤い丸の波形があることがわかります。

このようにどんどん小さい視点で見ていくと同じような波形パターンが続いていく、という相場構造のことを「フラクタル構造」と言います。

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基本的には内部波動を見ていくときは、

例えばずっと1時間足だけを見て目を細めてさらに中の波形を見ていくのではなく、

1時間足で1波を認識したら、15分足などの下位足に落として内部波動を見ていきます。

15分足の内部波動は5分足で確認する、ということです。

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もちろん大きな時間足へ広げていくこともOKです。

1時間足で上昇5波が終わったと思ったら、日足に変えてみると、

それは日足での上昇3波に当たる部分だった、というような感じです。

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そうやってある時間足でできた波形は他の時間足、視野で見たときにどこに当たるのか?

その中にはどんな波形が存在するのか?を常に意識していくことで

常に森を見ながら木を見ていくことができ、分析にぶれがなくなってきます。

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それを認識できていれば、上記のようなチャートを見たときに、

大きな波形を認識できると同時にその中にある波形も認識できてくるかと思います。

これを自然にすぐに認識できるようにたくさんの相場を見て内部波動を意識していってください。

例えば上記のような状態。

①の1波を作るにあたって、その過程では上昇5波の内部波動ができています。

そして、①→②へ下降1波進む中で、(A),(B),(C)と下降3波の内部波動が作られています。

そして、その下降3波の中にも小さな内部波動ができている、という状態です。

この最後の内部波動ぐらいになると必ず時間足を落とさないと正確な部分は見えてきません。

1つの時間足だけで判断しようとするのではなく、

必ず複数の時間足でチャートを比較しながら分析するようにしてください。

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前提知識としては以上となりますが、

最後に講義動画を見てさらに理解を深めてください。

4.ウェッジについて

ここではウェッジパターンを詳しく解説します。

ウェッジに関しては相場のいたるところに出ます。

小さいウェッジや大きいウェッジなど様々です。

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推進波中に出たらトレンド継続のエントリーポイントとして、

修正波中に出たらトレンド再開起点のエントリーポイントとして

使えたりします。

簡単に下記のようなものがあります。

これらはウェッジ以外にも様々な名前があります。

「ペナントレンジ」

「三角保ちあいレンジ」

「トライアングル」

など。

正直、好きな呼び方で呼んでいただいて大丈夫です。

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2枚目画像のように上下の斜めラインが平行に近いものに関しては別名

「フラッグパターン」

と呼ぶ場合もあります。

これも呼び方は自由です。

同じように修正波脱出の際の終盤に出た場合は注目していきます。

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また、ウェッジのこれまた異形版として、

「ディセンディングトライアングル」→「ディセトラ」

「アセンディングトライアングル」→「アセトラ」

というパターンもあります。

この短縮後もよくやり取りで出ますので覚えておいてください。

この形の特徴としては、安値に当たる部分が水平でサポートになっている点です。

安値は同価格帯、高値はどんどん切り下がってきている形。

そして、一般的にはこの形は下抜けしやすい形でもあります。

ただ、注意としては下抜けした後にすぐひげで戻され、その後急上昇も起こりやすい場所なので両方のパターンを考える必要があります。

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アセトラに関しては上昇として反転したものになります。

高値は一定の水平ラインで止められていて、安値が切上がってきている状態ですね。

アセトラの場合はそのまま上抜けの可能性が高い形になります。

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これらのウェッジパターンをリアル相場に当てはめたときの画像もいくつか紹介します。

ここでおや?と思うかもしれませんが、ウェッジは先端が閉じてきているものだけではないということです。

外に広がっていっているのもウェッジとして出てきますので覚えておいてください。

また、下記の図のようにかなり特殊なパターンとしてのディセトラパターンもありますのでこういったものはこれから広く認識して学んでいってください。

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最後に、講義動画を視聴してさらに理解を深めてください。

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それでは、次は内部波動についてお伝えします。

3.修正波について

では、前回の内容の続きで修正波についてのパターンの説明をしていきます。

まずこちらの画像を再度ご覧ください。

上記の修正波の部分ですね。

エリオット波動で言うと2波と4波目にできる部分です。

図示するとこの箇所です。

この中で、2波目の修正は割と素直でこれから3波目が始まるということでそのあと安心してポジションをホールドできる位置になりますが、

4波目の修正波が少し難しい場合が多いです。

3波目の推進波は必ず1波目の高値を超えてきます。

だから利伸ばしもしやすいのですが、5波目の推進波に関しては前ページでもお伝えしたように

「フェイラー」

といって3波目の高値ブレイク失敗のパターンがあります。

そのため、必ずしも4波目修正波から5波目が高値を超えて伸びていく、と言えない以上、

4波修正波と5波推進波の終わりが終わってみないとわからない、という場面も出てきます。

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その判断をややこしくしているのが最初にあげた画像での各種パターンです。

修正波には下記のような4つのパターンがあります。

上記のように、5波形成で修正波が作られることも有ればA,B,Cの3波修正で終わる場合もあります。

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・フラット修正

→いわゆるレンジです。

最終的には一段下げることが多いですが、広く見るとこのようなレンジで、そのあと推進波に移っていくケースがあります。

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・ジグザグ修正

→こちらが一般的に意識しやすい、理想的な修正波です。

下げも戻しも、内部波動をきっちり作りながらジグザグと動くもので

この波形で来てくれれば分析もしやすいですし非常に嬉しい相場、と認識しましょう。

こういう相場の時にいかに分析をきれいに行って取っていけるかになります。

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・トライアングル修正

→こちらはサロン内では「ウェッジ」という言葉を使ってよく出てきます。

このウェッジについては次回詳しく解説します。

ウェッジとはレンジの一種でブレイク時に推進波へ移行しやすい形です。

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. 複合型修正

→最後のこちらが非常にやっかいものです。

この修正パターンが来るとトレード自体がとてもやりにくい相場で

損切りにあってしまう人も多く出ると思いますので注意が必要です。

このパターンの場合は途中でフラットだったりジグザグだったり、トライアングルを作ったと見せかけて騙し、で修正波の中にいろんなパターンを作りながら進んでいきます。

この場合どこからが推進波の始まりかの見定めが難しくなるので大きな波形でのトレードを行うのではなく、小さな部分でのチャートパターンからスキャル寄りで細かくトレードしていくなどがお勧めです。

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綺麗な理想的なチャートをあげるとしたら下記のようなものですのでまずはきれいなパターンの認識ができるようにチャート分析をしてみてください。

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また、補足ですがこれもまた別の回で説明する「内部波動」の話を合わせると、

修正パターンは下記のようにいろんな場所に出てきます。

赤と紫で囲っている部分は全て修正波にあたりますので上記の4つのパターンが出てくるような箇所になります。

全ての場面で細かい波形の分析が必要です。

ちなみに、上記は上昇トレンド中ですので下降トレンドでは反対向きになります。

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エントリーをするのは多くの場合がこの「修正波中」に押し目や戻りのタイミングを取ってエントリーすることになると思いますので 「推進波」と「修正波」の違いを理解してトレードに活かしていきましょう。

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最後に、講義動画も視聴してさらに理解を深めてください。

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ではここまで大丈夫そうなら次へ進んでください。

2.基本波形パターン

ではここからはエリオット波動の基本的なパターンをまとめていきます。

エリオットはその形によって呼び方が複数あります。

上図の中で「インパルス」「ダイアゴナル」が基本の形2種類になります。

修正波の3つの分岐に関しては後ほど説明します。

上図では推進波から2つが分岐されていますが、もっとシンプルに下図のように認識してください。

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【インパルス】

インパルスとはこのように、

『1波の高値を4波の安値が下回っていない形』となります。

これが一般的に広く認識されているエリオットの形で

このインパルスの形になると5波は3波の高値を超えてしっかりとした全体5波を形成して1つのエリオットとなることが多いです。

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よくネットなどにはエリオットは

『必ず1波の高値を4波の安値が下回っていない形になる』

と書いてあるものもありますがそれは間違いです。

あくまで下回っていない形を「インパルス型」と呼ぶだけで、

実際の相場では4波の安値が1波の高値を割り込んでくる場面も多数あります。

それが次のダイアゴナルです。

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【ダイアゴナル】

図を見ていただくとわかるかと思います。

『1波高値を4波安値が割り込んでいる』形になっています。

これもパターンとしてよく出ますのでこの違いをまず認識してください。

そして、ダイアゴナルは1波と3波の高値を結んで、2波と4波の安値を結んで線を引きます。

その線の先端が閉じてきている→収縮型ダイアゴナル

その線の先端が開いてきている→拡大型ダイアゴナル

と呼びます。

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そして、ダイアゴナルでは5波の終着予想がパターン分けできます。

2番目の図の①が一般的な目安となり、

これは収縮型のダイアゴナルですね。

この場合、1波と3波を結んだ線の延長が5波の終着点目安となる、というものです。

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②は一旦飛ばして、③は拡大型ダイアゴナルですね。

拡大型の場合は5波は基本的には1波3波延長ラインまでは到達しないことが多いです。

逆に言うと、到達することがあるとしたらそれはだいぶ伸びきっているとも言えるので5波終着により期待が持てます。

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②に関しては、収縮型ではあるのですがそもそもとして3波の高値を5波が超えられなかったパターンです。

これを、高値抜け失敗の形として『フェイラー(failer)』と呼びます。

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残念ながら、フェイラーになるのか、高値を抜けていくのかを事前に完璧に読み切ることは難しいです。

そのためフェイラーになるのか、3波の高値を超える波形になるのかはその都度相場を見て適切に立ち回っていく必要があります。

この辺りは一般論では説明できないので是非日々のZOOMでリアルの相場を通して学んでください。

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ちなみに、フェイラーの形はインパルスでも起こります。

この時の判断材料としては、5波の上昇の中の「内部波動」を見て、

そこで内部5波動が発生している状態で、内部5波目で予想できる終着点が大きな3波の高値を超えられないだろう、という場合はフェイラーとなると予想ができます。

この「内部波動」に関してはまた別の回で詳しく説明していきます。

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今回の内容をまとめると、まず覚えておいてほしいのが

・インパルス

・ダイアゴナル

の2パターンがあるということと、

その両方には3波の高値を5波が抜けられないフェイラーという形があり得ること。

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そしてダイアゴナルには収縮型と拡大型があるということです。

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ここまでしっかりできましたら次に進んでください。

次は最初の画像にあった修正波に関して説明していきます。

1.エリオット波動とは?

極サロンでは「エリオット波動」という考えをメインとして使っています。

この項目からエリオットについて1から解説していきますので

何度も繰り返し見て前提知識の部分をマスターしてください。

その上でZOOM勉強会に参加いただくことで理解がより深まります。

まず、エリオット波動の形から説明します。

上図が一般的な、基本中の基本の形となります。

赤の1,2,3,4,5で1サイクルの上昇波形を意味しています。

そして、5波形成が終わると、そのあとは青いA,B,Cのような下降波が来て

波形を調整してくる動きが出ます。

上昇トレンドの場合は上図のような波形になることが多く、

下降トレンドの場合は逆になり、下に向かって1,2,3,4,5の5波が来て、

そのあと上昇のA,B,C波で調整してくるイメージになります。

そして、上の上昇トレンドの図を再掲します。

こちらの図の1,2,3,4,5の5波に関して詳しく見ていきます。

このように、5波の中の上がっている波形(1,3,5)に関しては「推進波」と呼び、

下げている波形(2,4)に関しては「修正波」と呼びます。

意味は名前の通りで、推進波はトレンド方向に対して進んでいくトレンド追従の動きとなります。

修正波はトレンドに逆らう形だけど、その前の推進波の動きを「調整」しに来る形で調整波無くして推進波はありません。

1波の後に3波、5波が来るためにはその間に必ず2,4波が入る必要があります。

この前提を必ず意識しておいてください。

なので、これからみなさんはこの「1,2,3,4,5」波のカウントを正しく取る練習していくことになります。

少しまた別の回で紹介する言葉がいくつか載っていますが、実際の相場にてカウントを取ったらこのような形になります。

※4の修正波はもう少し左の最安値をつけた谷で良いとは思います。

このように、実際の相場でどれが推進波なのか?どれが修正波なのか?

を常に意識するクセをつけてください。

上記はあくまでこの一場面にすぎず、相場は生き物で様々な波形を作ります。

しかも、上記は5波全てが終わった状態ですが、私たちが考えていくのは、

「2波が終わった後の3波開始地点や3波終了地点」

「3波が終わった後の4波でのエントリーポイント」

「4波終了地点の予想から5波のトレンドフォローエントリータイミング」

などです。

これがとても難しいことであり、完成したエリオット波形をいくら見ても

実際の相場ではそう簡単にはいきません。

それらを判断していくための基礎知識を引き続きお伝えしていくので、

このまま次のページへ進んでください。

次回は、

「基本波形パターン」

についてです。